南開の品格とは、南開大学の校訓(モットー)にもあるように「允公允能、日新月異」です。校訓(モットー)には南開大学の伝統の積み重ねであると同時に、核心的価値でもあり、教師と学生の教育理念や価値への追求を表わしています。また、学校の運営や教師と学生の行為にも指針を提供しています。
2014年8月9日、中国中央テレビは「各大学の校訓の意味」というシリーズ番組で南開大学の校訓(モットー)を紹介しました。
「五四運動」の時代に創立された南開大学は、百年の歴史があります。長期にわたる学校運営の実践の中で、南開大学は国家や社会的利益に対する深い認識や未来に向けた視点のある青年精神の育成に取り組んできました。これらはすべて、「允公允能、日新月異」という校訓(モットー)に要約することができます。
初代学長の張伯苓氏は、「允公」とは小さな団体ではなく、国への貢献を強調しており、自己中心的なエゴイズムを批判する言葉だと説明しました。そして「允能」とは、現代科学を学び、中国を近代化の国家にするように奮闘することが求められます。また、「日新月異」とは、新しいものを受け入れるだけでなく、新しいものの創造者になり、新しい時代を追いかけると同時に、時代をリードしなければならないと述べました。張学長の解釈は今日でも現実的な意味を持っています。
また、注意すべきは、校訓(モットー)は過去の産物として、生命力を与え続けるために、現代主義の内容を付与する必要があることです。例えば、中華民国時代の中国は「無知、軟弱、貧困、不団結、利己的」などの「社会の五悪」が存在していたため、張伯苓氏は公共(大衆)の利益への献身を強調し、人々の不団結と利己を駆逐し、他人や集団に目を向けるように導きました。全面的な能力の獲得を促進してこそ、社会の弱者と貧困を解消することができると、初代学長は考えていました。当時は「社会の五悪」を取り除くための指導思想だった南開大学の校訓(モットー)は今日でも深い意味を持っているのです。中華人民共和国建国後、60年以上の発展を経て、中国人の全体像は大きく変化しました。そのため、校訓(モットー)の解釈も時代の変化に合わせるべきです。
中国共産党の第十八回党大会で「三つの提唱」を礎として社会主義の中核的価値観の育成・実践というミッションを打ち出してから、南開大学はどのように校訓(モットー)と社会主義の核心的価値観の一致点を見つけ、どのように「三つの提唱」を教師と学生に宣伝し、校訓(モットー)に溶け込ませるのかを考え始めました。「社会主義の中核的価値観の育成と実践に関する中央政府の意見」が「三つの提唱」の24文字を社会主義の中核的価値観の基本内容として決定した後、南開大学は真剣な研究を経て、下記の定義を定めました。「強大、民主、文明、調和のとれた愛国心や自由、平等、正義、法治の社会理想を追求し、愛国、敬業、誠実、善意のある人を育成する。「允公允能」を自己修養、社会奉仕、「公共利益」の価値観を実践する能力として認識し、そして「日新月異」を「公共利益」を追求・実践する過程において時代と共に前進し、絶えずに革新を起こすと認識する。」このような観点から見れば、南開大学の校訓(モットー)は、まさに社会主義の中核的価値観の「南開式表現」と言えます。上記の共通点を見つけた南開大学は、校訓(モットー)の伝承、発展と実践を運び手とし、社会主義の中核なる価値観を新時代の南開大学の学校運営実践や教師と学生のキャンパスライフに融合させ、南開大学の学校運営の指針や教師と学生の行為規範としています。
以上の認識に基づいて、南開大学は自らの伝統や大学文化の特色を積極的に模索し、校訓(モットー)をキャリヤーとし、南開大学の実情に合わせて、社会主義の中核的価値観の育成と実践を南開大学の教育改革、大学スピリッツの育成、キャンパス文化づくりなどに融合させました。
2014年10月17日、南開大学は校訓(モットー)・社会主義の中核的価値観シンポジウムを開催
南開特色のある素質教育を大学の発展戦略とし、『南開大学素質教育実施要綱』を制定し、人徳と才能を兼ね備えて勇敢にイノベーションに取り組む学生の育成に力を入れ、学生と卒業生を社会主義の中核的価値観の実践者に育てることを目標としました。今日まで続く南開大学の校訓(モットー)は、南開大学の伝統や学校運営の経験を新たな示唆を与えています。特に重要な示唆は、「徳育・育人」という根本的なミッションをしっかりと中心に据え、素質教育を真剣に実行しなければならないということです。南開大学はこれまで学生の素行を重視し、科学精神や人間としての素質の融合を強調してきました。常に基礎知識の教育と革新能力の育成を重要視しており、コアな講座には優秀な教師を招いています。「中国をよく知り、中国に奉仕する」という理念に終始こだわっており、「勉強は実践のために、理論は実践と結びつけるべき」を強調してきました。そしてスポーツと美育を重視し、学生には「強い体格と高尚な精神を育て--大学の伝統を継承・発揚する」ようにを奨励しています。
南開大学は素質教育の実施を大学運営の基本方略としており、『南開大学素質教育の実施要綱(2011-2015年)』を制定し、周恩来を手本として、「愛国、敬業、イノベーション力や社交力に優れた優秀な人材」の育成に力を入れてまいります。素質教育の実践について、南開大学は三大転換の実現の推進を提案しました。まず、学校運営の理念を「学科を礎とする」から「学生を礎とする」に変更し、学生の発展を強調することにしました。次に、教育内容を「知識の移転」から「素質の発展」へと転換し、知識教育の枠を超えて、徳、智、体、美の全面的な発展を重視することにしました。そして第三に、教育志向から学習志向へと転換し、教育を教師と学生の両方に有利なものにし、学生の自発的な学習や教師と学生の質の高いコミュニケーションを促進します。南開大学では、大学歴史の宣伝、校歌の歌唱、校訓(モットー)の朗読、校章の着用、鐘鳴らし、周恩来・鄧頴超記念館の見学、「伯苓班」、「周恩来班」、「楊士賢班」、「周恩来奨学金」の選出など一連の荘厳なセレモニーやイベントを開催しました。これらのイベントやセレモニーを通じて、南開大学は校訓(モットー)に代表される社会主義の中核的価値観の新しい内包を教育・実践のすべての細部に体現しています。「愛国、奉仕、革新、団結」という濃厚で調和のとれた雰囲気の中で、社会主義の中核的価値観の新たな内包は教師と学生の新時代に向けた精神的追求に内在化し、そして中国の夢を実現するための規律的行動へと外在化しています。
南開特色のあるメンタリティー教育を推進するため、南開大学は「身を修め徳を立て、能力と総合力を重視し、人間の発展を重視し、勇敢に革新する」という教育理念に基づいて、学生の全面的な発展・育成に取り組んでまいります。南開大学は、学生の成長にも校訓(モットー)の要求にも合致する基準体系や評価方法を制定しました。当該評価システムは校訓(モットー)の前半の「允公」を「志、誠実、心」の3つに分け、そして「允能」を生活能力、学習能力、革新能力、協業能力と審美能力に分けています。学生の自己評価、同級生評価、補導員評価を合わせた評価ガイドラインを確立し、学生の自己認識を深化させ、学生が校訓(モットー)に凝縮された社会主義の中核的価値観を自覚的に実践するよう誘導します。現在、実践の中で絶えず改善されており、評価システムは指導的役割を果たしています。
南開大学の校訓(モットー)は80年以上の歴史があり、当初は国を救うという理想を掲げていましたが、今の時代では、南開大学の教師と学生の民族復興に対する理解を表しています。それぞれの時代の南開人が校訓(モットー)をきちんと継承・実践すれば、中国の夢や中華民族の偉大な復興は必ず実現できると、本学は堅く信じております。